デジタルツインを活用した海の可視化と制御
地域の産業で活躍できる人材の育成
近年、メタバース関連技術の発展に伴い、産業におけるデジタル技術の活用の重要度が高まっている。洋上風力発電や海中ドローンを活用した研究など、海を活用したプロジェクトにおいても、デジタルツインを含むデジタル技術を活用することで、海についてより深く理解することが求められている。
しかし、国内におけるデジタル技術を活用できる人材は不足しており、産業にデジタル技術を十分に活用できていない状況にある。3DCG技術を活用したバーチャル空間の作成、およびデジタルツインで可視化・制御に活用できる人材の必要性はますます高まっている。
本講座では、海をフィールドにしたプロジェクトでの実習を行い、実際のコンテンツの作成・フィードバックを行うことでデジタルツイン構築に関する専門的な知識とスキルを身につける。習得した技術は、各研究分野における研究の促進や研究成果のレベルアップ、地域企業におけるデジタル技術を活用したサービス・製品の開発による地域企業の競争力強化などに活用することが期待される。
現実世界の物体や環境から収集したデータを使い、仮想空間上に全く同じ環境をあたかも双子のように再現するテクノロジーのこと。
IoTなどで現実空間から収集した膨大なデータをもとに仮想空間上でAIが分析やシミュレーションを実施し、現実空間へフィードバックすることで、将来起こる変化にいち早く対応することが可能となり、自社製品の製造工程やサービスの在り方をより改善するうえで有効な手段ともなります。
講座統括責任者
株式会社コミュニティメディア 代表取締役・創業者
講座連携研究者
長崎大学 教授・副学長
企画・推進責任者
株式会社コミュニティメディア 専務取締役
事務局・運営担当
株式会社コミュニティメディア 技術部長
第1回 基礎講座 2023年11月25日(土) 10:00〜13:00
全5回の共同講座では、海洋デジタルツイン構築に関する利用技術を理解し、データ構築ワークフローに関する制作基本技術を学びます。
第一回では、はじめにゲームエンジンを用いた超リアルなデジタル表現の活用事例を交え、株式会社コミュニティメディアが長崎県対馬市で取り組んできた、海洋環境を含む地形データのデジタルアーカイブデータの活用事例、そして長崎大学工学部山本研究室の開発する海中ドローン(ROV)や研究成果の活用の可能性について学び、デジタルツインの考え方を理解します。
第2回 基礎講座 2023年12月16日(土) 10:00〜13:00
第二回では、産業におけるデジタルツインの利用事例を学び、受講生それぞれが考えてきた海洋デジタルツインの活用アイデアを発表していただきます。データ構築実習へ向けての準備として、制作ワークフローを学びます。
また、モデリング、3Dスキャン撮影、フォトグラメトリーなどのデータ構築に必要な最先端ソフトウェア技術を学び、各受講生に用意された高スペックノートPCを用いて設定などデータ構築準備作業をします。
第3回 基礎講座 2023年12月23日(土) 10:00〜13:00
第三回、第四回の2回にわたり、受講者が実際にデータ構築方法を学びます。事前に環境を設定したハイスペックノートPCを使って海中環境や対象物を3Dデータ化していきます。講義の後半では、各自構築したデータを発表いただき、講師からフィードバックをします。
第4回 基礎講座 2024年1月20日(土) 10:00〜13:00
第四回では、山本副学長の海洋技術クラスター構想に向けた、ロボット開発や海洋エネルギーに関する研究成果について学びます。デジタルツイン技術が研究成果にどのように活用されるのかを理解し、講義の後半では第三回で構築したデータを用いて、基本的なデジタルツイン要素の構築演習を行います。
第5回 基礎講座 2024年1月27日(土) 10:00〜13:00
最終回となる第五回では、フィールドワーク(リモート開催の可能性有)を通じて、デジタルツインの活用の可能性を探ります。後半では集大成として、各自制作したデジタルツイン構築の成果発表を行っていただきます。
また、受講者それぞれのフィールでおにおいて、今後の研究活動や事業活動においてどのような活用ができるかについて議論します。
定員:10名
第1回 応用講座 2023年11月25日(土) 14:00~17:00
全5回の応用講座では、昨年令和4年度の「海洋デジタルツイン構築講座(基礎講座)」受講済みの方が対象となります。
構築した海洋デジタルツインの環境に、気象情報や潮流情報など、現実の世界の情報を反映させていくことを目的とします。最新のゲームエンジンを活用し、海空ドローンを活用して取得したデータを活用し、リアルタイムな世界を構築します。初回となる本講座では、研究や海洋関連産業だけでなく、あらゆる業種や産業で具体的に活用をしていくことを目指し、その可能性について学びます。
第2回 応用講座 2023年12月16日(土) 14:00~17:00
第二回では、最新のフォトグラメトリ関連技術について、事例紹介と撮影技法の実習を通じて学びます。
仮想世界と現実世界の複合技術の分野へも応用できるこの技術は、海洋デジタルツイン構築において最も重要な技術のひとつです。日頃から受講者は、身近なものを3Dデータ化できるようになります。また、基礎講座で扱ったゲームエンジン演習をおさらいします。
第3回 応用講座 2023年12月23日(土) 14:00~17:00
第三回では、最新の3Dスキャン技術について、事例紹介と撮影技法の実習を通じて学びます。長崎大学工学部の山本研究室が開発する最新の海中ドローン(ROV)を海洋デジタルツインの世界で動かすために、演習を通じてゲームエンジン上に世界を構築していきます。
第4回 応用講座 2024年1月20日(土) 14:00~17:00
第四回では、構築した海洋デジタルツインの世界の中に、現実の世界からセンシングしたデータを連携させていきます。最新のゲームエンジン上で超リアルな表現と、リアルサイドにある様々なIoTデバイスから入出力される情報の再現を行います。
第5回 応用講座 2024年1月27日(土) 14:00~17:00
第五回では、リアルタイム情報を可視化した海洋デジタルツインの世界の中で、具体的な研究活動や産業活動に活用するプロトタイプとして発表します。
本講座の演習で学んだデータ構築技術を活用し、各々の分野における海洋デジタルツインを活用したシステムを提案します。最終回は、一般向けにも参加者を募集し、受講生のアイデアを広く発信していく場にします。
海底に沈着したプラスチックを含む海洋ごみをメタバースで表現し、漁業者の意識変化の研究に役立てたい。
講座の内容をインテリアデザイン分野の授業で活用し、卒業展をメタバースで行いたい。
本講座で習得したメタバース空間制作等の技術分野はリモートワークに適しており、希望する社員にとってメリットが大きいと感じた。